理念

化学は物質の変換を扱う学問であるとともに,物性を電子構造・分子の配列と相互作用などとの関連で論じ,新しい機能をもつ分子や材料の設計を行う学問とし てますますその分野をひろげつつある。分子工学は,原子・分子・高分子などがかかわる微視的現象を対象とする基礎学問を支柱として,原子・分子・高分子の 相互作用を理論的,実験的に解明し,その成果を分子レベルで直接工学に応用する新しい学問領域であり,その重要性は化学の新しい展開の中で,強く認識され ている。特にわが国では,分子工学による先端的技術の発展に大きな期待が寄せられている。新しい電子材料,分子生物工学における機能性物質,高性能の有 機・無機・高分子材料,高選択性触媒,エネルギー・情報関連材料などの開発などは,現在分子工学で対象とすべき重要な研究テーマである。

分子工学専攻は,分子論的視野に立ち,斬新な発想で基礎から応用への展開ができる研究者・技術者を育成することを目的としている。